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【CDOトラウデン直美が訊く】デカボチャレンジに参加した三井物産が手掛けるイノベーションとデカボな未来 

三井物産は、ブロックチェーン・NFT・SBTを活用した様々な施策を通じてイノベーションを進めています。 

今回は三井物産 ICT事業本部デジタルサービス事業部デジタルサービス事業推進室 web3 project managerの鶴田拓夢さんにお話をお聞きしました。 

聞き手は、モデル・タレントでありEarth hacks CDO(チーフ・デカボ・オフィサー)のトラウデン直美さんです。  

三井物産がZ世代とつくりたい未来 

トラウデン直美さん(以下、トラウデン): デカボチャレンジに参加した理由を聞かせてください。 

鶴田拓夢さん(以下、鶴田): 理由は二つあります。まず一つ目は、デカボチャレンジが非採用型のインターンシップなので、本質的な社会実装に向けた事業立案の議論に集中できる、つまりコトに向き合えるということです。二つ目は、Z世代のユニークな視点や脱炭素の観点を取り入れた事業立案の機会が得られるということです。私はブロックチェーン技術を活用し新規事業を創出するチームに所属しているのですが、新技術が社会実装されていく際にはイノベーター及びアーリーアダプターなりうるZ世代の意見や環境配慮の観点は切り離せないと考えおります。デカボチャレンジはこれらのニーズを満たす非常にいい機会だと思い参加しました。 

現在、三井物産では幅広くweb3・ブロックチェーンを活用した新規事業を検討しております。今回設定させていただいたチケット×web3の課題もそのうちの一つです。チケット産業及び広義のエンタメ産業は、この後ご説明させていただく脱炭素の観点からの問題以外にも多くの問題を抱えています。二次流通以降の市場の整備、チケット利用後に価値の保存がなされない事、ファンの貢献度合いが可視化されていない等、これらの顕在化している課題に対して三井物産として何か取り組める余地がないかを検討しております。また、脱炭素の観点からは、消費者が脱炭素・エコフレンドリーな行動をした際に、その行動証明及びリワードの設定にweb3やブロックチェーンが活用できないかを検討しております。

 

イノベーションでデカボを。例えば、チケット産業なら 

トラウデン: 今回の課題がチケット産業に関連していますが、現在のチケット産業はどのような問題を抱えているのでしょうか? 

鶴田: 課題が山積している産業ですが、脱炭素的な観点からは大きな問題が二つあります。一つ目は、現在も紙のチケットが主流なので、発券された紙チケットが利用後に価値が保存されず、そのまま捨てられているという点です。二つ目はアイドルの握手会のような特典チケットを入手するために同じCDを何十枚、何百枚も購入し、その後特に利用されずに捨てられてしまうという問題があります。もっとブロックチェーン含めデジタル技術の力を活用し、産業全体が抱えている課題を解決するべく日々事業に向き合っています。 

トラウデン: チケット産業のデジタル化が進めば環境問題だけでなく人材不足も解消されそうですね。 

鶴田: おっしゃる通りです。例えばあるイベントで100人チケット購入者人がいたとして、デジタルの力を活用すると100人のうち何人がイベント会場に入ったかなどをリアルタイムで確認できるようになります。すると、入場に於いて混む時間を事前に予測・把握してスムーズな誘導のための人材配置もできるようになるでしょう。 

デカボチャレンジに参加してみて 

トラウデン: 難しい問題が背景にあるチケット産業のデジタル化に取り組む三井物産が、学生との共創に注力する理由は何でしょうか? 

鶴田: 歴史ある企業であればあるほど、固定概念や過去の成功体験・経験則に基づいた事業立案をしてしまいがちです。しかし、新規事業は固定概念を一旦置いて、フレッシュな視点で産業や常識を見つめなおし、目の前の顧客の課題に向き合うことが重要だと思っています。今回、学生の議論をサポートすることは今後の事業立案においても重要なインサイトを得られると確信しています。 

トラウデン:正直言いますと、私は「web3・NFT・SBT」を詳しくは知らなかったのですが、学生たちの反応はいかがでしたか? 

鶴田:ほとんどの学生たちがまったく知らない領域だったと思います。しかし、この5日間で新技術とチケット産業について高速でキャッチアップしながら、仮説検証を繰り返し、事業案に落とし込んでいました。その姿を見て純粋に感心しておりました。 

トラウデン: 課題に込めた願いを、改めて教えてください。 

鶴田: 三井物産としては、既にweb3とは関係なくチケット産業向けのソリューション提供の事業を進めております。今回の課題である、web3やブロックチェーンという技術が、既存のシステムや産業とどうのように融合していくのかについて非常に注目しており、Z世代のフレッシュな視点を交えて議論したいと考えておりました。デカボチャレンジを通じて学生からの新鮮な意見やアイデアを日々インプットさせていただきましたので、私自身とても勉強になりました。また、学生はいち消費者・ユーザーとして今回の課題に向き合っており、利用者としての生の声やリアルに感じる課題を知ることができました。 

【三井物産チームの注目アイデア】Fan to Fan!〜ファンの熱量をきっかけに〜
ブロックチェーンを活かしてファンの熱量を可視化し、貢献の履歴を刻むことでファンが自発的にコミュニティを形成する取り組みの提案が行われました。 

トラウデン: 学生のアイデアは今後、事業に活かすことはできそうですか? 

鶴田: 参考になるアイデアばかりでした。今回デカボチャレンジに参加された様々な会社さんの設定された課題がある中で、三井物産の課題はかなりデジタルに寄った内容にしたので、学生たちは短期間で技術・産業知識をインプットしなければいけませんでした。そんな中でも非常にクオリティの高いアウトプットを各チーム出していただきました。新技術を社会に実装し、イノベーションを起こしていく上で、彼らのフレッシュな意見は非常に参考になりましたので、学生たちに感謝しております。 

トラウデン: ありがとうございました!