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    残ったパンを廃棄せずに再生する

    【世界一のパン屋さん・Comme’N TOKYO(コム・ン トウキョウ)】

    パンの世界最高峰の大会「MONDIAL DU PAIN(モンデュアル・デュ・パン)」で、日本人初の総合優勝を果たした大澤秀一シェフが率いる人気のベーカリー。

    そんな世界一のパン屋さん、

    実は、絶対に捨てないパン屋さんでもありました。

    売り切れは絶対に出さないこだわりの豊富なラインナップで、その日の最後の1人のお客さんにも、パンを選ぶ楽しみを残しながら、オープン以来一度もパンを捨てたことがないといいます。

    「パンとして生まれたからには、お客さんに食べてもらいたい」という大澤さんが、売れ残ったパンを独自の手法で再生。味も品質も“世界一のパン屋さん”の商品として、再び棚に並んでいるのです。

    【Comme’N流!捨てない仕組み】は大きくわけて2つの方法があります。

    ひとつめは元のパンの特性を活かした「二次加工的アプローチ」。

    たとえば、バゲットやパン・ド・ミ(食パン)など混ぜ物のないシンプルなものが残ったら、ラスクにしたり、具材を挟んだり、二次加工で再びお客さんのもとへ。これはある意味で想像の範囲内。

    すごいのは2つ目の方法なんです。

    なんと具材入りのものは、再び生地の一部として、新しいパンにしちゃいます。

    菓子パンは、一度全てミキサーに入れよく練り、

    惣菜パンは、薄くスライスし、あえて具材の存在感を残すカタチで、

    それぞれ生まれ変わるパンを美味しくする“タネ”として、独自の配合で、新しい生地に混ぜ込みます。

    そうして生まれるのが、“ケーク・ブリオッシュ”(菓子パン)や、“オバール・サレ”(惣菜パン)。どちらもリピーターの多い大人気商品!!

    この手法は、売り切れもロスも出さないだけでなく、美味しさの秘訣でもあります。混ぜることで、味には深みが増し、しっとりふわふわな独自の食感が生まれます。

    この捨てない仕組みは、商品のバリエーションも豊かにしており、お客さんも大喜びだとか。

    「売れ残りやロスが多くなれば、どうしてパンの値上げにもつながるけど、うちは捨てていないので環境負荷提言だけでなく“無意味な値上げ”をすることもないんです。その日の売れ残ったパンをもとに再生させるパンは、毎日微妙に配合が変わるので味わいのバリエーションも豊か。お客さんにとってもメリットでしかありません」(大澤シェフ)

    この手法は、決して難しいものではなく、その気になれば、他のパン屋さんでも取り入れることは可能だと大澤シェフ。実際、大澤シェフの講演会などで学んだ若い世代のパン職人らがフォロワーとなり、徐々にこの手法も広まり始めているのだとか。

    お客さんにも、地球にも、やさしい世界一のパン屋さん。

    こんなお店が、日本中に広まっていったら、すてきだと思いませんか?