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    今、世界中で「砂不足」が問題となっています。

    ガラスの主原料が砂だってご存知でした?

    シリカ(SiO 2)が主成分の珪砂(けいしゃ)と呼ばれる砂がガラスの主原料です。

    多くは海外で採掘されたもので、オーストラリアやマレーシアのような採掘地から船で大量に輸入されており、それだけで大量のCO2を排出しているのが現実です。

    一方で今世界では建設ラッシュに伴うコンクリートやガラスの需要が高まり、「砂不足」が発生している状況。砂不足は、地域の自然環境や生態系への影響が指摘されており、人類が解決すべき問題のひとつにもなっています。

    またガラスは大量消費・大量廃棄という問題も抱えています。特に建築用のガラスはほとんどリサイクルされておらず、埋め立て廃棄されているといいます。

    そうした課題に向き合いつつ 新しいカタチのガラス製造・循環を提案するのが、AGC株式会社の社内コミュニティ「UNOU JUKU」。

    たとえば“素材のテロワール”という新しい考え方。

    テロワールのように土地の個性を大切にしたガラスはできないか。
    その土地でとれた砂でガラスをつくり、その土地の建築に使い、数十年後にリサイクルする。その土地で生まれ、その土地で循環することで価値を永続させられないか。
    そしてそれにより環境問題の解決に貢献できないだろうか――。

    UNOU JUKUの河合洋平さんはこう言います。

    「蝶はメタモルフォーゼ (変態)の過程で卵→幼虫→さなぎ→成虫と段階を踏みますが、さなぎの時に固体ではなくどろどろの液体になるんです。一度液体になるけれども、成虫となった蝶は幼虫のときの記憶を残しています。 “素材のテロワール”もそれと同じで、砂がガラスになる過程で溶かされて形を変えるけど、その砂が持っている土地の記憶を残しているという考え方です。もし多くの方とそのような考え方を共有できたら、ガラスのことをもっと大切に扱ってもらえるのかなと思っています」

    “素材のテロワール”という考え方が浸透し 世界中の砂不足やガラスの大量消費・大量廃棄が軽減されれば、CO2削減やその他の環境問題の解決にも貢献できるかもしれませんね。