テーマ:フード.脱炭素
自然の力だけでつくった世界遺産の海から生まれた塩
塩にも環境に良いもの、悪いものがあるって知ってました?
違いは塩の製法。
たとえば日本では、海水の濃度を高めた「かん水」を煮詰め、乾燥させて塩をつくる「釜炊き」または「煎熬(せんごう)」と呼ばれる製造手法が中心です。
海水を蒸発させて作る製造手法は、どうしても燃料を多く使うのですが、この際に使われる燃料の多くはCO2排出量が多い石炭。
そのため多くの石炭を消費する国内産の塩づくりは、製造のための燃料見直しを迫られていると言います。
一方、環境にいい塩といえば天日塩。中でも西オーストラリアの世界自然遺産「シャークベイ」で採れた海水を、太陽と風、つまり自然の力のみで長時間かけて乾燥させてつくった「シャークベイソルト」は、せんごう式でつくられた国内産の塩と比べると、CO2排出量が約15分の1と、非常に環境負荷の少ない塩なんです。
「シャークベイソルト」を手掛ける三井物産株式会社の瀬尾翼さんはこう言います。
「シャークベイの塩田を含んだ湾一帯は1991年にユネスコ世界自然遺産に登録されるなど、美しい自然や貴重な生態系が守られています。そんな土地で、長年に渡りCO2をほとんど排出しない自然な製法にこだわり続けているので“カーボンフリーソルト”とも呼ばれています」
環境にいいだけでなく、味も抜群。海水のミネラルを損ねず、またナチュラルでマイルドな味わいが特徴です。
おいしさはもちろん、たまには環境のことも考えて、塩を選んでみる。
そういう新しい選択肢があってもいい。